Nvidia DGX Spark(GB10)各社モデル価格比較とストレージ設計の現実

投稿者: | 5月 11, 2026
東日本大震災のとき、原発がメルトダウンしたので東京から脱出した人が実は結構多くいる。まぁそんな人のなかで、地方に逃げたので温泉三昧になり温泉水を飲みまくっているという人の話を聞いた。
全ての温泉ではないが、温泉の一部には、微量の放射性元素が混じっていて、それが皮膚について被曝(もちろん流れるからOK)して、皮膚が壊れて肌が良くなる。ただ、その温泉水を飲んでしまうと、皮膚ではなく、体内ではないので、放射性元素が排出されないので、ずっと影響が出まくってガンになることがあるという。原発のときのセシウムはカルシウムと認識されやすい元素なので、体は放射性セシウムもカルシウムだとされて長期間体内保持してしまい、ガンになる。
せっかく逃げたのに体悪くしてるなぁとは言えなかった。まぁ、そもそも九州とかに逃げた人はそれ以前に、放射性物質が偏西風であとで九州にも飛来することも知らなかっただろうが。チョルノービリの事故で、イタリア産のマッシュルームからチョルノービリの核種が検出され輸入停止になることがあったのに。体験するはもちろん重要だが、よく考えないで、考え続けないで後で大きくしっぺ返しをくらうというのはまさしくこれなんだと思う。
 
 
閑話休題
 
 
Blackwell 世代の NVIDIA DGX Spark(GB10) は、「小型ワークステーションなのに本気で AI スパコン」という、これまでに無かったカテゴリのマシンである。ちなみに、スパコンといっても、クレイのマシンみたいにFortranが回るわけではないw
 
ARMだから遅いと思っている人は手を出しにくいかもしれない。ARMが遅いという人の理論は、かなり偏った認識の人で、ラズパイや廉価版のNASは遅いということだけでの判断。Apple SiliconもARMが速いけどというと詰んでしまう。そもそもARMは、もともとIntel/AMD系と違ってガチ計算させる系のCPUではなく、ちゃんとメモリがあってリソースがあれば、役割特化したケースではかなりのパフォーマンスを発揮する。
 
ただし――ストレージ設計を甘く見ると、確実に後悔する。
  • 各社 DGX Spark モデルの価格比較
  • 1TB / 4TB どちらを選ぶべきか
  • なぜ 1TB はすぐ詰むのか
  • 実際にどうやってストレージを増設・逃がすか
を 実体験ベースでまとめたいと思う。
 

1. Nvidia DGX Spark 各社モデル価格(2026/5/11 時点)

改めて調べてみた。自分が調べた限り、筐体デザイン、電源ボタンの場所が違うくらいなだけであとは全く同じ。値段を気にしないのであれば、物理的には電源ボタンポジで決める。機種によっては電源ボタンが上部にあって、重ねずらいという話があったような。あとは、サポート体制と純粋な好みで決めることに。高いからと言って単純にボッているわけでもない。
 
2026/5/11再度価格を調べてみた。
ドスパラのASUS GX10の在庫が復活していて、値段も最安(ただしNVME 1TB)。EVO-X2が59万円となるとLinuxで使うならASUS GX10の価格は超お買い得。
DELL/HPEなどのエンタープライズのものはやはり高い。ただ、単に高いのではなく、保守が手厚い。個人利用なら、マザボメーカー系ので構わないが、企業、業務で使うなら、DELL/HPE/Lenvoなどのメーカー製を買うことをおすすめする。企業向けだとLenovoが最安。
 
メーカー / モデル
容量
価格
NVME
 
NVIDIA DGX Spark Founders Edition
4TB
909,700円
unknown
HP ZGX Nano AI Station
4TB
2,126,850円
PCIe-4×4/
PCIe Gen4
Dell Pro Max with GB10
4TB
1,143,550円
PCIe Gen4
〃
2TB
1,037,098円
 
 
〃
1TB
1,001,188円
 
 
Lenovo Thinkstation PGX
4TB
899,800円
unknown
〃
1TB
749,980円
 
 
GIGABYTE AI TOP ATOM
4TB
798,930円
unknown
Up toとかかれているが
MSI EdgeXpert
4TB
732,600円
unknown
Asus Ascent GX10
1TB
585,530円
PCIe Gen4
Acer Veriton GN100
4TB?
価格不明
unknown
 
この値段、メモリの値段を考えても正直言ってお得。同じ環境を普通に作ったらこの金額では買えない。この手のMini PC、メモリ容量が天井まで行っているので、メモリが高騰、不足というニュースを見向きもしなくなるという精神的安定感も与えてくれるという副作用があるw
多分、5090やPROシリーズの最上位機種と比べると性能は悪いかもしれないが、目的が違う。この環境は、VRAMが大量についているので、使う時のVRAM使用量の算定がどんぶり勘定ですますことができる。
ただ、GPUクラウドで稼働とか本番環境で稼働させるときに逆にアダになることがあるので注意したいところだが。
 

2. 最安モデルの結論

やはりマザーボードなどを作っているメーカーが最安値を出してきている。
  • 4TB 最安→ MSI EdgeXpert(663,500円)
  • 1TB 最安→ Asus Ascent GX10(585,530円)
  • 価格差→ 77,970円
一見すると
「1TB で安く買って、あとで増設すればいい」
と思いがちだが、ここが最大の落とし穴。

― DGX Spark で 1TB を選ぶ人は、何を見落としているのか ―

DGX Spark を 1TB で買う人は、このマシンを “DGX” だと思っていない
これは煽りではなく、事実。そして、自分だった(大汗)
 
唯一の例外は、多分全ての機種が、PCIe Gen4x4のNVMEだが、PCIe Gen5x4まで使える。PCIe Gen5x4のNVME交換する場合は、1TBの方がいいかも。多分だけど、DGX Sparkで使えるPCIe Gen5x4は1種類しかないがべらぼうには高くはない。

3. なぜ「1TB → 後で 4TB」は逆に高くつくのか

「とりあえず 1TB」は PC の発想であって、DGX の発想ではない

1TB を選ぶ理由はだいたい同じ。
  • まずは値段!
  • 「あとで増設すればいい」
  • 「最初は軽く使うだけ」
  • 「ストレージは外に逃がすし」
👉 全部、普通の PC の発想。
DGX Spark は、「GPU 付きミニ PC」ではない。
 

4TB SSD は安くない

このクラスのマシンに “まともに使える” 4TB SSD を後から足すと、
  • NVMe 4TB SSD:約 7〜10 万円
  • PCI Gen5 モデル:10 万円超
つまり、
  • 最初から 4TB を選ぶ:+77,970 円
  • 1TB を買って後から SSD 追加:+約 100,000 円
さらに装着できるNVMEは、2280(一般に売られているサイズ)ではなく、少し短めの2242/2230 しか付かないも盲点。
👉 結果的に 1TB の方が高くつく

図1:「あとで 4TB にすればいい」が高くつく理由

選択肢A:最初から4TB
────────────────────────
本体価格 +77,970円
→ 完了
 
選択肢B:1TB → 後から増設
────────────────────────
本体価格 585,530円
+ 4TB SSD 約100,000円
────────────────────────
合計 約685,000円
📌 結果
  • 最初から 4TB の方が安い
  • 1TB は「初期費用が安く見えるだけ」
では4TBにしておけば安泰なのかというとそうではなく、フルになるまで猶予が稼げるだけだと思う。
 

4. DGX Spark が「とにかく容量を食う」理由

このマシンで必ず遭遇する体験した現実

いわば、DGX Spark は “最初からデブ” になる運命のマシン

NVIDIA 対応コンテナの現実

  • CUDA
  • cuDNN
  • TensorRT
  • NCCL
  • PyTorch
  • Triton
  • xFormers
👉 ベースイメージだけで数十 GB
ここで既に、「1TB のうち 10% 消費」は確定。

4.1 NVIDIA 対応コンテナは元から巨大

  • CUDA / cuDNN / TensorRT / NCCL
  • PyTorch / Triton / xFormers
👉 ベースイメージだけで数十 GB
 

Blackwell 最適化イメージはさらに巨大「上書き」じゃない。「作り直し」だ

ここが致命的な勘違いポイント。
「既存イメージをちょっと調整すればいい」
違う。
 
Blackwell 世代では、
  • FP8 / FP4
  • パフォーマンスを出すならNvidiaのベースコンテナを利用してアーキテクチャ最適化
  • 再コンパイル
  • 再ビルド
👉 再ビルド前提、別物として作り直し
つまり、
  • 元イメージ
  • 最適化後イメージ
  • ビルド途中の中間レイヤ
  • キャッシュ
全部同時に存在。
 

再ビルド = ビルドキャッシュ必須 Docker ビルドキャッシュという “見えない敵”

DGX Spark を真面目に使うと、
  • buildx
  • multi-arch
  • cache-from / cache-to
  • 再ビルド
が当たり前になります。
その結果どうなるか。
👉 消さない。絶対に。
なぜなら、
「また使うかもしれないから」
これで 1TB は終わる。
👉 キャッシュだけで数百 GB 飛ぶ
 

VRAM が大きい=量子化しないモデルを使いがち

DGX Spark の最大の魅力は?
  • VRAM が大きい
  • 性能が良い
  • Blackwell 世代
だからどうするか。
  • 量子化を下げる
  • FP16 / BF16 を使う
  • でかいモデルをそのまま置く
👉 ストレージ節約?しません。
これは「贅沢」ではなく、このマシンを買った理由そのもの。
👉 モデルサイズがそのままストレージに直撃
 

図2:DGX Spark が容量を食い尽くす構造

DGX Spark ストレージ消費構造
────────────────────────
 
[ OS / 基本環境 ]
    │
    ▼
[ NVIDIA対応コンテナ ]
・CUDA
・cuDNN
・TensorRT
    │
    ▼
[ Blackwell最適化 ]
・FP8 / FP4
・再ビルド必須
    │
    ▼
[ Dockerビルドキャッシュ ]
・中間レイヤ
・マルチarch
    │
    ▼
[ AIモデル ]
・低量子化LLM
・巨大ComfyUIモデル
👉 GPUが強い=モデルもデカい
 

5. 結論:1TB は即死、4TB でも将来足りなくなる「1TB → 後で 4TB」はコスト的にも負け

冷静に数字を見ると。
  • 1TB 最安:585,530 円
  • 4TB 最安:663,500 円
  • 差額:77,970 円
では後から 4TB SSD を買うと?
  • NVMe 4TB:約 7〜10 万円
👉 普通に逆転負け
しかも、
  • 分解
  • 移行
  • 再構築
  • 再ダウンロード
という 時間コスト付き。
 

図1:DGX Spark 本体価格とストレージの罠

価格だけ見るとこう見える
────────────────────────
 
1TBモデル    4TBモデル
585,530円    663,500円
│                         │
│ 差額 77,970円 │
└───────→ 安そう?
 
⬇️ 現実 ⬇️
1TBモデル購入後の現実
────────────────────────
 
[ 本体 1TB ]
│
├─ NVIDIA対応コンテナ(巨大)
├─ Blackwell最適化イメージ(さらに巨大)
├─ Dockerビルドキャッシュ
├─ LLM / ComfyUI モデル
│
└─ あっという間に容量枯渇
 

図3:1TB / 4TB の寿命イメージ

時間経過 →
────────────────────────────────
 
1TB |■■■■■■■■■■■■■■■×|
             ↑ すぐ限界
 
4TB |■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■△|
                                                      ↑
                                                  いずれ足りなくなる
 
  • 1TB→ ほぼ確実に すぐ足りなくなる
  • 4TB→ 現実的な最低ライン→ それでも長期的には不足する可能性あり
👉 最初から 4TB を強く推奨
EVO-X2のように内蔵オンボードのメモリと違って、後で交換することができるのが唯一の救い。
 

6. 1TBにしてしまった。4TBでも足りなくなったらどうするか(現実解)

6.1 ディスク増設の選択肢

❌ 2.5GbE NAS HDD iSCSI / NFS

  • 価格的にこれが現実界。1GのNASならUSBで2.5GbE化ができる。
  • RJ-45が塞がるので正直使いたくない(運用が重い)

❌ 10GbE NAS HDD iSCSI / NFS

  • 速度は十分
  • RJ-45が塞がるので正直使いたくない(運用が重い)

❌ 100GbE

  • RJ45 変換まででお金がかかりすぎる
  • 現実的ではない
 
この時点では。

7. 「USB で逃がせばいい」は正しい。でも…

確かに USB 20Gbps は強い。
  • 3ポート
  • 20Gbps
  • 実用速度
参考にUSBの帯域がいい線言っているとわかる表
NASの場合、追加でプロトコルオーバーヘッドがあるので鵜呑みにできないが。
経路
“上限の壁”
現実レンジ(目安)
典型ボトルネック
内蔵 NVMe (PCIe4 x4)
~7GB/s級
5〜7GB/s
熱 / 持続書込 / SSD世代
USB 20Gbps (Gen2x2)
理論20Gbps
1〜2GB/s
ホスト非対応 / ブリッジ / ケーブル
NAS 100GbE + HDD
12.5GB/s
0.6〜1.5GB/s
HDD回転数 / RAID構成 / NAS CPU
NAS 100GbE + SATA6 SSD
~0.6GB/s級
0.4〜0.55GB/s
SATA6が天井 / NAS CPU / SMB/NFS
NAS 100GbE + NVMe SSD
~3〜7GB/s級
2〜4GB/s
NAS CPU / PCIe世代 / プロトコル
NAS 10GbE + HDD
1.25GB/s
0.4〜0.8GB/s
HDD回転数 / RAID / NAS CPU
NAS 10GbE + SATA6 SSD
~0.6GB/s級
0.4〜0.55GB/s
SATA6が天井 / NAS CPU / SMB/NFS
NAS 10GbE + NVMe SSD
1.25GB/s
0.9〜1.1GB/s
10GbEが天井
NAS 2.5GbE + HDD
312MB/s
0.25〜0.28GB/s
NICが天井
NAS 1GbE + HDD
125MB/s
0.11〜0.12GB/s
NICが完全に天井
なので使い道が薄い100GbEでNVMEだとUSB 3.2 Gen2x2をようやく超えてくれるが、性能以前にコストと電気消費量が違う。なのでディスク増設は、USBが第一選択肢。また100GbEのNVMEでもネットワークで繋げている以上レイテンシーがよくないので内蔵と同じようにはならないかもしれない。
 
一旦、ここまでで自分のエクスキューズを入れると。。。
実は、OSが入っているドライブって効果を期待していないんだよねぇ。後でOSを入れ替えることも度々あるだろうし、起動時に一度きり読み込むだけだし。自分がPCを作る時は、OSが入るドライブは、そこら辺の容量少なめの適当なSSDとか使って、それ以外に高速なドライブを使うことが多い。なので、OSドライブに相当する部分は容量も、スピードも期待していない。可能であれば、OSは外付けのSSDケースに入った2.5inchのディスクから起動したいくらい。
 
なので後で変えようかとおもったけど、価格をみてびっくりだし、外付けでスピード出そうだからいいやということになった。
 

✅ USB 3.2 Gen2x2(20Gbps)一択

  • 20Gbps 出る
  • DGX Spark には USB が 3 ポート
  • USBポートに1:1で繋げるのが仕様

実際に使えたケース

これがお買い得。ただNVMEのピン留めがゴムで心許ない。ヒートシンク付きでNVMEにヒートシンクを付けるタイプ。
チップは174c:2364 ASMedia Technology Inc. ASM236X series
 
Centryの場合はこれ。ヒートシンクは、ケース蓋になるやつ。ヒートシンクがついているNVMEを使うなら外す必要がある。
チップは152d:0581 JMicron Technology Corp. / JMicron USA Technology Corp.
 
ただし、Centryの2枚入るやつは、20Gbps出なかった。
 
(チップを載せておいたのは。。。新しい沼ジャンルとして、USB箱のファームウェアアップデート沼のため)
 

図5:増設方法の現実的な比較

拡張手段 比較
────────────────────────
 
USB 20Gbps ◎ 現実解
10GbE NAS △ 使えるが微妙
100GbE ✕ 高コスト
 

USB 3.2 Gen2x2(20Gbps)が強い理由

  • DGX Spark に 3ポート
  • 1ポート = 1ディスクで性能が出る
  • USB Hub 経由は NG
 

8. 自分の実際の運用例

余っていた 1TB SSD を活用し、USB 直結で完全分離。(本当はもっと大容量のNVMEがあればここまで分けなかった。)
  • USB #1→ Docker 関連ローカルストレージ
  • USB #2→ LLM / ComfyUI モデル
  • USB #3→ ユーザデータ
👉 内蔵ストレージをほぼ使わない構成

体感

  • 初回モデルロードは少し遅い
  • それ以外は 普通に快適
  • 実用上まったく問題なし

図6:実運用構成

DGX Spark
────────────────────────
 
内蔵SSD(4TB)
└─ 最小限のみ使用
 
USB #1 (20Gbps)
└─ Docker関連ストレージ
 
USB #2 (20Gbps)
└─ LLM / ComfyUI モデル
 
USB #3 (20Gbps)
└─ ユーザデータ
 
そしてUSBポートの空きがなくなった。

体感

  • 初回ロード:やや遅い
  • 実行中:問題なし
  • 安定性:今の所問題なし。
まぁ、熱源のNVMEが全部外に出たのも大きいかもしれない。

9. USB に負荷をかけない工夫

普段使いのQNAP TS-464に容量が余っていた。2.5GbE/MTU9000で使えている。そこにDocker Registryを入れたのでそれを活用することにした。
 
 
Registryで、イメージ管理するのは当然として、
 
Docker の ビルドキャッシュ は、
  • NAS に立てた ローカルレジストリ を使用
  • キャッシュを DGX Spark に持たせない
さらに、
  • NAS に大容量領域がある
  • 必要な時だけモデルを転送
👉 ストレージを “使う場所” と “置く場所” を分離

図7:Dockerビルドキャッシュの逃がし先

ビルドキャッシュの流れ
────────────────────────
 
DGX Spark
│
├─ docker build
│
▼
NAS上のローカルRegistry
│
└─ キャッシュ保持
 
👉 DGX Spark 側にキャッシュを持たせない
 
この用途で高速なNASがいるかというと、USBで持たせている役割ほどのスピードは要求されない。開発設計段階なので。ここら辺の勘案は、使う人の人数や頻度で考えた方が合理的かもしれない。
ただ、Registryは使えば使うほど、転送するデータ量が減ってくるので、Dockerが動くNASがあることが重要で、パフォーマンスは2の次かもしれない。CI/CDを回さない限りは、おひとり様ー5人くらいまでであれば、2.5GbE HDDのNASで十分かもしれない。(速いに越したことはないが)
 
 
ちなみに、なぜQNAPがなのかというと
  • ベースモデルでもメモリ8GB積んでいるので、メモリの追加が不要
    • このご時世ならではかもしれないが。
  • この価格帯、ジャンルで唯一オブジェクトストレージをサポートしている
    • Docker Registryはほぼオブジェクトストレージと同じ
  • Ext4などのオブジェクトストレージ向きのファイルシステムが使える
    • BtrfsなどのCOWのファイルシステムをRegistryなどで使うとだんだん遅くなってきて、Push/Pullが激おそになることがある。
そういう意味で、この手の用途だとQNAP一択になってしまう。またこの用途限定で限って言えば、Dockerが動く、メモリ8GB、2.5GbEであれば、ベイ数(RAID)、CPU(たとえARM64でもいい)はあまり意識しなくない。
 

10. ビルドキャッシュをRegistryに持っていたことで得られる副作用

ビルドキャッシュやコンテナイメージに押し込めるだけではなく、手元のパソコンでビルドしてレジストリにPush、DGX Sparkは、Pullしてつかう。ということができる。
 
複数人で使う場合は、かなり有効で、ビルドの負荷をDGX Sparkにかける必要はない。DGX Sparkでビルドしている間はGPUを意味もなく燃やしている状態。レジストリがあれば、GPUを使うときだけ、GDX Sparkでできる。
DGX Sparkは、arm64なので、M1 Macなら何も考えなくて使える。Windowsでも多少遅いが、ビルドできるはず。
さらに、環境にDGX Spark以外のBlackwell環境がある場合、multi architectureでビルドすればいい。このMulti Architectureビルドをする際、レジストリがあると、同じタグでそれぞれのアーキテクチャの保存ができる。
 
つまり、ただでさえストレージが微妙な容量しかないDGX Sparkを使う場合、Registryがあると
  • DGX Sparkのリソースを使ってビルドをする必要はない。
    • 複数人で共用できる
    • GPUを燃やさない
  • 手元のパソコンでビルドできる
    • M1 MACならネィティブでビルドが可能。
  • BlackwellのAMD64環境もあるなら、さらに効率的にマルチアーキテクチャ管理が可能
 
もちろん、手元でビルドしても、Registryなので、フルサイズのイメージを毎回転送する必要はない。
 
ちなみに、もし、お一人様のご利用で、NASが手元に余っているのであれば、メモリが8GB程度のHDDのNASでRegistoryのコンテナイメージが1つ動かせれば十分だと思う。もっというと、いっそ、DGX SparkがARMなので、ARMのメモリ8GBのNASだったら面白かったかもしれない。しかし、ARMでメモリ8GBのNASは安くはない。新しく買うなら、Intel版をお勧めする。
 

11. 1TB を選ぶ人の末路(つまり自分)

Day 1:
「DGX Spark すげぇ!」
 
Week 1:
「なんかディスク減るの早くない?」
 
Week 2:
「Docker が失敗する…」
 
Week 3:
「モデル置く場所がない」
 
Week 4:
「外付け SSD 買うか…」
 
Month 2:
「最初から 4TB にすればよかった」
 
 
USBを増設して、NASを使うことによる学びは
 
  • Dockerの構造が理解できた。
  • NASをファイル共有だけではなく、
  • Registryを建てて活用することができた
  • イメージ保存とビルドキャッシュの活用
  • 効率的に手元でビルドができるようになった。
 
この使い方だと、一人で使っている限りは、、NICは2.5GbE/MTU9000、HDDで十分だった。いわば、パフォーマンスを求める以前に使い方で改善した形になった。もちろん、単純にNASを繋げただけだと、そこまでの体感、効果はなかったと思う。なんでも力づくで解決するのではなく、たまには頭も使うことが必要なのかもしれない。逆に最初から4TBのDGX Sparkを使っていたら気がつかなかったかもしれない。
 

9. 最終結論

DGX Spark を 1TB で買うのは「このマシンを本気で使わない」という宣言
  • 学習
  • 推論
  • ビルド
  • 最適化
  • 実験
どれか一つでもやるなら、1TB はスタートラインにすら立っていない。
 
  • DGX Spark はストレージ設計が最重要
  • 1TB は「価格が安く見えるだけ」
  • 実質スタートラインは 4TB
  • 将来を考えるなら 外部ストレージ前提設計
 
DGX Spark は「GPU だけ強いマシン」ではないストレージ戦略まで含めて初めて完成する
――というのが、実際に使った結論。いや結果論。
 
NASが構成に入ったので、小さいGPUパソコンを買ったはずが、外付けSSDが増えて、NASがついた。
小さく始める予定が少し大きくなってしまった。知識がついただけ良しとする。
 
もう一つ、NASを導入するメリット。NVMEに10万円を投資するより、明らかに変わり映えがするし、いろいろいじれるので満足感は高いと思う。

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