バリバリのVMwareユーザにはご存知の話だと思うのだが、vSphereストレージのハードウェアアクセラレーションの話。
vCenterでストレージを表示させるとこんな文言がでてくる。Hardware Acceralation.
内蔵ディスクでは不明になっていて、外付けのqnap_iso(NFS)は有効になっている。
もちろん、設定したから有効になっているのだが。
内蔵のディスクはハードウェアアクセラレーションが不明(不可)である。
また、NASなどが対応していれば、有効になる。対応しているNAS(VAAIサポート)では、
- iSCSIの場合:そのままマウントして有効になる
- NFSの場合:ドライバをESXにインストールすると有効になる
有効にできるかどうかは利用しているNASにかなり依存する。自宅ラボレベルだと、Intel CPUを積んでいるNASは比較的有効にできる。民生用のNAS(例えばBuffaloなど)やお高いNASベンダーでも家庭用のNAS(例えば1、2万クラス)のものは、有効にできない様子。ざっくり5万くらいのSynologyやQNAPではできそうな感じ。ただし、対応しているかどうかは必ず調べること。対応していない場合、ただのNASになってしまうので。
Synologyの場合は、型番が+で終わるものは対応しているっぽい。QNAPは、Turbo NASというタイプならサポートしているっぽいが、実際の型番からすると不明。可能性があるとしたらKVMが動くレベルならもしかすると対応していうかもいしれない。
ハードウェアアクセラレーションに対応していると何が便利か?
- クローンが速い。
特にiSCSIのLUNを使うとかなり速い。ただ、今のNVMEのストレージは爆速なので対応していなくてもそこそこ速い。ただし、ローカルディスクでしか使えないので複数台ESXがあるとESXまたがりのイメージの場合はクローンに時間がかかってしまう。共有ディスクでハードウェアアクセラレーションに対応していれば、複数のESXで高速クローンの恩恵を受けられる。また、NVMEでなくてもHDDとかでもかなり速い。自分は7200回転のHDDを利用しているが遅いと思ったことは一度もない。実際はイメージをコピーしているわけではないのでかなり速い。
- NFSの場合は、シンプロビジョニングのイメージの作成が可能
気にならないひとは気にならないかもしれないが、イメージをシンプロビジョニングで作ると利用した分だけの容量の消費で済むので、データストアサイズが小さくても大きいサイズの仮想マシンイメージを大量に作ることができる。たとえば、40Gの仮想マシンを100VM構築するにはざっくり4TB必要だが、もし40GB中20GBしか利用していないVMが100VMだったら2TBで済む。
LinuxでNFSのデータストアをマウントして、仮想マシンを作成するとシックでしかディスクができない。つまり容量をフルフル使われてしまう。
詳しくは以下のURLにVAAIの機能が記載されている。
なので、NASはVAAIをサポートしているものの利用をおすすめする。
最後に重要なことを一つ。クローンをするにはvCenterが必要なので、vCenterがないのであれば、NFSを使っていないのであればこの話は全くを持って無駄話となる。
しかし、VAAIをサポートしていないはずの安いSynology DS416slimに対してドライバーをインストールしたESXをマウントしてみたところ、なんとシンプロビジョニングができるようになっていた。これはびっくり。
複数台のESXを利用するならvCenterと共有ディスクはかなり便利であるし、またNASの選定は結構重要である。